生産者を訪ねて!~福島編~
先月の事になりますが、味噌醤油の生産者さんを訪ねて福島へ行ってきました。
「えっ、お菓子屋さんなのに味噌と醤油???」
なんて思われた方もいるのでは。
そうなんです。
うちのビスコッティには和風味の『味噌ビスコッティ』『醤油ビスコッティ』というものがあるのです。
そのビスコッティに使っている味噌と醤油を作っているのが、
福島県郡山市にある「中村味噌醤油醸造場」さんです。
「中村味噌醤油醸造場」さんは、家族経営の小さな蔵です。
お店を始めてまだ間もない頃、とあるイベントスペースで知り合った方のご実家が味噌醤油醸造場で、
味噌パーティーをしよう!
という事になり味噌ビスコッティを作ってみたのがきっかけでした。
と、簡単に説明してしまいまいましたが、実際に味噌ビスコッティが出来るまでは結構大変でしたよ。
味噌をどういう形で加えるか?
そのまま生地に混ぜたら味噌の味が薄くなってしまう。
しっかり焼くので味噌の香りが飛んでしまう。
じゃあ混ぜる味噌を加工してみようか?
あれやこれや試作を繰り返し、の試行錯誤で出来上がったのが味噌ビスコッティなのです。
それに比べて醤油ビスコッティは、醤油の焦げる香ばしさをイメージして意外とスムーズに出来上がった優等生ビスコッティです。
どちらも他の店にはないような味わいで、でも日本人なら懐かしくなるような、
とてもいい感じに出来上がりました。
その味噌と醤油を作っているのが「中村味噌醤油醸造場」さんなのですが、
いつも電話で注文して、電話口ではお父さんやお母さんが対応して下さり
味噌と醤油を送ってもらっっています。
もう何年も醤油と味噌を仕入させていただいているのに、
なかなか訪ねていく事が出来ずにいつも気にかかっていました。
今回福島に出張があったので、せっかくなら中村さん所にも行きたい!
という事で念願かなって訪ねさせていただきました。
お店には、いつも電話口で対応して下さっているお父さんがいらっしゃいました。
電話で話した声から想像していた通りのやさしい感じのお父さんでした。
お店は私が思っていたよりも小さく、簡素な造りで、
でも、ずっと作り続けてきている自慢の味噌と醤油が並んでいて、
変に飾っていない所がとても好感持てました。
賞状も色々飾ってあって、素晴らしい味噌や醤油を作られている事がうかがえました。
お店を訪ねて、
「できれば味噌や醤油を作っている蔵も見学できればしたい」
とお願いしたのですが、
「8年まえの東日本大震災で蔵は壊れてしまい、なんとか使えるように突貫工事しかしていないので、
まだまだ散らかっていてお見せできない状況なんですよ」
と仰りながら蔵の周りを案内してくれながら震災当時のお話をしてくださいました。
まだまだ震災の爪痕で苦しんでいる人は大勢いるのだと痛感し、
なんとか頑張り続けているお父さんに、いつまでも元気で美味しい味噌や醤油を作ってもらいたい。
そして自分は、そんなお父さんに負けないように味噌や醤油をおいしいビスコッティに変えて、
沢山の人に喜んでもらえる様にもっともっと頑張らなければ!
と強く感じた訪問でした。
最後に店先で記念撮影
お味噌を持った私と、ビスコッティを持ったお父さん