事務部門に続いて、製造部門のお仕事紹介です。

 

製造部門、それは菓子職人への道。

 

女性なら多くの人が小さいころに憧れたお菓子屋さんという仕事。

甘くて、楽しい、嬉しい、おいしい、きらきらして、幸せなイメージのお菓子屋さん。

でも現実は、そんな甘美なイメージを覆すような厳しく過酷なお仕事なんです。

 

家でお菓子を作るときは、

材料を購入して、計量して、生地を作ったり、焼いたり、仕上げしたり、全部ひとりで行いますよね。

 

お店では、それぞれを別の人が担当して流れ作業で行います。

それはもう機械のように自分の担当の仕事をこなしていくのです。

手作業で丁寧に、正確に、美しく、且つ早く、大量にこなさなければなりません。

だから家でお菓子を作るのとはかなり違うと思って下さい。

 

うちはビスコッティの専門店なので、作るお菓子はほぼビスコッティです。

（少しはビスコッティ以外のお菓子もありますが…）

なので製造業務は毎日ビスコッティを作ります。

 

【午前中は焼く作業】

 

前日に仕込んでおいた生地を分割計量します。

ビスコッティの種類によって量る重量が違ったり、1つの生地を3等分するなど、簡単な計算は必須。

電卓なんて時間がかかるし手も汚れるから暗算ですよ！

 

そして計量した生地を細長く伸ばします。

強すぎず、弱すぎず、具のバラつきも調整しながら天板のサイズと同じ長さまで転がしながら伸ばします。

長さはいちいち測りません。

自分の感覚で目標の長さに伸ばします。

具材のバラつきは、伸ばしながら手に当たる感覚で偏りがあれば生地を移動しながら修正します。

ここで時間をかけすぎると生地が傷んでしまうし、オーブン作業に間に合わないので素早くすることが重要です。

伸ばして天板に並べた生地をオーブンで焼きます。

オーブンは平窯タイプのものを2台使っています。

2台ののオーブンを時間差で動かしながら焼くのは至難の業。

途中、霧を吹いたり、温度や火力を変えたり、前後入れ替えたり、焼きあがり加減を調整します。

このオーブンの作業をしながら合間の時間で生地の分割、伸し、カットなどをやっています。

オーブンは2台あるし、やる事はたくさあるし、それはもう本当に10秒刻みの作業です。

だからそれぞれの作業をのんびりやっている時間はありません。

素早く、でも丁寧に、正確に！

 

そして、焼きあがったビスコッティをカットします。

切る作業。

これがまたとても難しいのです。

オーブンから出したら最初は柔らかいけど、冷めていくと段々固まってしまう。

だから冷めないうちに素早く切っていきます。

切るときは袋に入るように決まったサイズに切らなければならないのですが、定規などはありません。

自分の感覚で長さ、幅、厚みを調整しながら切っていかなければなりません！

しかも冷めないうちに素早く！

カットしたら断面を上に向けて天板にならべて2度焼きします。

しっかり乾燥焼きが出来て冷めたら焼きの仕事完了です。

 

この作業を一人で担当します。

生地を分割して、

伸して、

焼いて、

切って、

2度焼きして、

冷ます。

 

言葉で言えばこれだけの作業ですが、

量も多いし気を付けなければならない事も多く、

常に時間に追われているのでとても大変な作業です。

 

製造の仕事は他にもまだまだたくさんあります。

午後の仕込み作業の紹介は次回へ続く…

 

 

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